水土の技術は生活排水の変則合併処理を経て、我々が普段利用している水洗トイレを利用可能な循環型自己完結トイレとして、放流先に制限のある自然公園などを中心に展開されてきました。処理技術の特徴は、生活排水などの小規模分散型処理に適した接触ばっ気方式と処理水を中水利用するための高度処理に適した土壌浸透方式の組み合わせであり、自己完結トイレの安定した運用を可能にしています。土壌処理部分には旧来の土壌トレンチ方式に比べ、処理能力が格段にアップした多段土壌層方式を用いて、処理装置のコンパクト化を実現しています。
近年、地球温暖化の影響と考えられる集中豪雨が頻発し、さらには大規模な地震発生等が想定されています。その中で避難所の重要性とともに、避難所におけるトイレの問題がクローズアップされています。我々は水土の技術がこのような課題に少しでもお役に立てるように、コンテナ化による移動性の確保、土壌処理槽の軽量化、処理の立ち上げ期間の短縮、太陽光や風力発電との組み合わせによる自立性の向上などに鋭意、取り組んでいます。今は小さな集まりですが、将来的には同じような問題意識を共有する団体、個人の皆様と意見交換を進めていけるようなプラットホームの役割を担うべく努力していきたいと考えています。
水土の技術はいわゆるハイテクではありません。むしろローテクの集合体と呼ぶ方が相応しいかもしれません。しかしその中には先人の知恵とアイディアが溢れており、今後の様々な問題解決に役立つものと考えています。
代表理事 水落元之
設立目的
~水土浄化技術の優位性を広く展開~
①本研究協会は自然循環型で品質が安定し維持管理コストの低減が期待できる自己完結型の「水土浄化技術」を中心とした周辺の技術開発と理論構築を進めるため研究者の結集を図ることを目的に設立する。
②我々の取組は、土壌による浸透・浄化作用で、雨水や汚水を大規模集中処理から、小規模で発生源で分散処理し大地に返す自然循環型、なおかつ自己完結型を目指した技術である。
③土壌の持つ浸透・保水・浄化機能を利用した水土浄化技術は、治水・利水・親水環境の分野にも寄与できる多機能性があり、自然環境との共生を目指すものである。
④本研究協会が提供する水土浄化技術は、単なる排水処理水の再利用ではなく、地球規模での異常気象が叫ばれる今日、水源確保に多くの労力を必要とする地域にとってはあらたな「水源」の選択肢となる可能性をも有している。
適用事例
~水土浄化技術を応用した各種事業~
①上下水道が未整備な地域、郊外型コンビニ等での汚水処理用装置
②地震・津波等の災害避難地における移動可能なトイレ汚水処理用システム
③都市部における広域避難地・公共施設・大型病院等における汚水処理施設
④公共事業等における総合排水処理・再利用施設
⑤宅地開発・工業団地開発における全量敷地内処理施設
⑥都市部におけるヒートアイランド抑制装置:屋上緑化・壁面緑化装置への給水・散水装置
⑦河川流域総合治水対策における流出抑制施設
⑧発展途上国向け高度処理型下水処理場・分散型汚水処理施設
運営基本方針
01 | トイレで発生する汚水を、水土浄化システムで修景用水にして循環再利用することにより、上水道の利用量を低減し環境に良い社会を実現する。 |
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02 | 現場施工が主であった旧型の水土浄化システム(エコ浄化システム)は、資材を分散して運び、作業員が現場で施工を行うので工期も長かった。その点を本協会の参加会員が持つ技術により改良を施し、工場で製品化することで、工期短縮とコスト縮減、環境負荷の低減を図る。 |
03 | 小型(400回/日)から中型(2400回/日)を中心に標準タイプとして製品化する。 |
04 | 現場施工については、その地域の状況によって多様な条件が存在するため、現地の事情に通じた設計事務所や施工企業と協働して行うことで対応する。 |
05 | 水土浄化システムの機能部分(キーデバイス)は、指定製造業者で製造し供給を行うことで、性能の安定と会員企業の独自技術を付加できる仕組みとする。 |
06 | 水土浄化技術はさらなる研究を通じて学問として確立することが必要であるため、多くの研究機関・企業・個人を広く募集し結集を呼び掛ける。 |
会員種別と会費
会員の種別 | 資格 | 入会金 | 年会費 |
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正会員 | 研究開発を担当する学識経験者、研究者および賛助会員から推薦された個人 | 無料 | 1万円/学生5千円 |
賛助会員 | 本協会の設立趣旨に賛同し、事業の普及に努める法人 | 5万円 | 10万円 |
特別会員 | 民間および公的研究機関、並びに研究機関所属の個人 | 無料 | 無料 |
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※年度途中で入会される場合の年会費は、入会時期が、上半期(4月から9月まで)の場合は年額の全額、下半期(10 月から翌年3月まで)の場合は 年額の半額とします。
※本会の年度は、4月1日から翌年3月31日までです。
入会手続
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